インターネットに関する非営利団体の米Internet Societyは,Real Time Text Taskforce(R3TF)と呼ぶ団体を設立した(発表資料)。

 R3TFは,インターネット上でリアル・タイムにテキスト通信するための技術「Real-Time Text(RTT)」の導入を支援するために設立された。目的の一つは,聴覚障害者などが通常の電話で利用されているテキスト電話の機能を,VoIP環境でも実現できるようにすることである。RTTによるテキスト通信をする際に,遅延をできるだけ減らして,もっと自然な会話を実現するという。このほか,バーチャル会議においてテキスト情報を通信するといった用途も想定している。

 R3TFが支援しているRTTを実現する技術は「ToIP(text over Internet protocol)」と呼ばれている。ToIPはSIP(session initiation protocol)やRTP(real-time transport protocol)の延長として,Internet Engineering Task Force(IETF)がToIPを説明する文書「Framework for Real-Time Text over IP Using the Session Initiation Protocol」を「RFC (request for comment)5194」において公開している(同RFC)。ToIPの狙いの一つは,通信の際の遅延時間を300m秒~2秒の間に低減することである。