NECの2008年4月~6月期決算は大幅な減益となった(PDF形式の発表資料)。売上高は前年同期比0.7%減の1兆12億4200万円,営業利益は同63.7%減の41億900万円である。通信事業者の投資抑制に伴う売り上げ減,ネットワークや携帯電話機の開発費増などが利益を圧迫した。

 通信インフラなどを扱う主力のIT/NWソリューション事業は,売上高が前年同期比1%減の5651億円,営業利益が同50%減の77億円だった。国内の移動体通信事業者による投資が縮小傾向にあること,海外通信事業者向けシステムに関する業績が円高の影響を受けたことなどで収益が悪化した。

 携帯電話機やパソコンを扱うモバイル/パーソナルソリューション事業は,売上高が前年同期比7%増の2263億円,営業利益は同40%減の58億円となった。携帯電話機は,ソフトバンクモバイル向けの出荷を再開し,出荷台数は前年同期比33%増の160万台となった。ただし,投入機種を前年同期の2機種から8機種へ増やしたため,開発費が増大している。パソコンも出荷台数は前年同期比12%増の62万台と伸びたものの,価格競争が激しく,上期は損益ゼロの見込みである。

 半導体や電子部品などのエレクトロンデバイス事業は,売上高が前年同期比4%減の1974億円,営業損失は前年同期の42億円に対して2億円となった。半導体事業を手掛けるNECエレクトロニクスが営業損益で黒字化している(Tech-On!関連記事)。