カシオ計算機は2008年度第1四半期(2008年4~6月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比2.5%減の1160億3200万円と減収だったものの,営業利益は同236.9%増の41億6400万円,純利益は同85.6%増の39億4600万円で,大幅な増益を達成した。電子辞書や時計などの事業が引き続き高収益だったことに加え,デジタル・カメラの新製品が好調に推移したことや携帯電話機事業の増益などが大幅増益に貢献したという。

 部門別に見ると,携帯電話機やデジタル・カメラを手掛ける「エレクトロニクス機器事業」の売上高は,対前年同期比2.5%増の965億9500万円だった。増収の主な要因は,携帯電話機「W61CA」や「W53H」などが好調に推移したためという。営業利益は同34.0%増の46億6400万円。デジタル・カメラ「EX-F1」などが好調だったことや,携帯電話機事業が増益となったことが,営業利益を押し上げた。

 一方,「デバイスその他事業」は大幅な減収となった。売上高は対前年同期比21.8%減の194億3700万円。この減収は,TFT液晶パネルの単価の下落や子会社であるカシオマイクロニクスの不採算事業の譲渡(Tech-On!の関連記事)が響いたためという。営業損益は,前年同期の8億8700万円の赤字から回復して,9億8500万円の黒字を計上した。

 2008年度通期(2008年4月~2009年3月)の業績予想は,売上高が対前年比1.1%増の6300億円,営業利益は同24.5%増の470億円,純利益は同88.7%増の230億円となる見通し。