デンソーは,2008年4月~6月期の業績を発表した(PDF形式の発表資料)。売上高は前年同期から微減の9839億1300万円。米自動車メーカーのビッグ・スリー(General Motors Corp.,Ford Motor Co.,Chrysler LLC)向けの売り上げ減をトヨタ自動車向けやイタリアFiat社向けの増収でカバーした。営業利益は前年同期比20.6%減の741億5600万円,純利益は同23.3%減の516億5900万円となった。円高による為替差損が経常損益に161億円の影響を与えたという。

 地域別にみると,日本や米国の不振が目立つ。日本では輸出向け車両の生産台数が増加したことなどで売上高は前年並みを確保したものの,為替差損や労務費の増加で営業利益は40%減となった。北中南米地域は,米国の自動車市場の停滞を受けて15%の減収,24%の減益になった。一方,欧州地域や豪州・アジア地域は増収増益である。

 デンソーは,2008年の米国自動車市場の規模を従来は1500万台と予測していたが,1400万台程度にとどまると下方修正。こうした市場環境や為替の状況を踏まえて,通期の業績予測を下方修正した。売上高は2008年4月時点での予測から300億円引き下げて4兆円(前年度比0.3%減),営業利益は170億円引き下げて2720億円(同22.0%減)とした。

 投資計画も見直す。期初の計画では2008年度通期で設備投資3220億円(前年度比6%減)としていたが,これを数百億円単位で圧縮するという。特に,日本や米国など自動車市場の冷え込みの厳しい地域に関しては投資の凍結を検討しているとした。