ホンダの太陽電池の販売実績が,2007年10月の国内での本格販売の開始以来,累計で約100件となった。ホンダの太陽電池は,現在主流のシリコン(Si)系ではなく,独自開発した銅(Cu)-インジウム(In)-ガリウム(Ga)-セレン(Se)の化合物を使うCIGS系の薄膜電池。100%子会社のホンダソルテック(本社熊本県・大津町)が太陽電池の製造・販売を担当している。同社は本格販売開始と同時期に,ホンダ熊本製作所(熊本県・大津町)内に量産工場を稼働させ,現在27.5MW/年の生産能力を持っている。

 ホンダソルテックは販売力を強化するため,現在約130店の販売店を2008年中に200店規模まで拡大させる方針。また,工場などに設置する産業用市場にも2008年秋に参入する。さらに,今後の海外市場への展開も計画している。太陽電池事業の本格化はこれからのようだ。

 CIGS型太陽電池は,結晶系シリコン太陽電池に比べて発電効率が低いが,製造時のエネルギ消費や材料使用量が少ないので,量産による大幅なコスト削減が見込める。加えて,薄膜系シリコン太陽電池と比べると発電効率が高いので,2002年4月にホンダエンジニアリング(本社埼玉県狭山市)がCIGS型太陽電池の開発を発表した際には,「一般家庭用電力料金以下の発電コスト実現できる」としていた。