納入したNAS電池の例
納入したNAS電池の例
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 日本ガイシは2008年7月28日,電力貯蔵用のNAS(ナトリウム硫黄)電池の生産能力を,年間90MWから150MWに増強すると発表した(発表資料)。愛知県にある小牧事業所の生産能力を向上させる。建屋を現在の1万500m2から1万8500m2に増築し,生産設備を増設する。設備投資額は113億円。増強後の稼働開始は,2010年6月を予定する。

 NAS電池は日本ガイシ独自の技術で量産化したセラミックスを固体電解質として,負極にナトリウム(Na),正極に硫黄(S)を用いた蓄電池。エネルギー密度が鉛蓄電池の約3倍と高く,エネルギー効率が高いことなどが特徴。同社は今後,風力や太陽光などを用いる自然エネルギー発電の急速な拡大に伴って,国内外で大容量蓄電池の需要が高まると判断し,生産能力の増強を決めた。

 日本ガイシによれば,同社は現在NAS電池の量産に成功している唯一のメーカー。NAS電池は自然エネルギーによる電力供給の安定化に加え,ガス・タービンを使った火力発電の高効率な運営や電力の需給調整の用途でも,需要が拡大しているという。同社には,国内外から大規模な引き合いが寄せられているという。

NAS電池による負荷平準のイメージ
NAS電池による負荷平準のイメージ
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