日本ビクターは2008年4月~6月期決算を発表した。国内液晶テレビ事業の縮小や,モータ事業,サーキット事業の売却などの影響で10%を超える減収となったが,赤字幅は縮小した。売上高は前年同期比16.5%減の1327億3800万円,営業損失は前年同期の約63億円から改善して12億7200万円,純損失は69億200万円だった。

 主力の民生用機器事業は,売上高が前年同期比15.4%減の1030億7500万円,営業損益は前年同期の赤字から改善して4億7000万円の黒字となった。国内ではビデオ・カメラやオーディオが苦戦したが,米国では液晶テレビやビデオ・カメラの売り上げが大きく伸びたという。欧州では液晶テレビは好調だったものの,ビデオ・カメラや車載用AV機器の売り上げが低迷した。

 ビクターは決算発表と同時に,子会社であるビクタークリエイティブメディア(VCM)と映像制作会社のIMAGICAとの提携を発表した。VCMはCDやDVDのプレス事業を営んでおり,IMAGICAからもDVDのプレスを請け負っている。今年度中には新たにBlu-ray Disc(BD)規格ディスクのプレス事業を始める予定で,両社はBDソフトウエア市場の共同開拓に向けて連携を強める。具体的には,VCMがIMAGICAを引き受け先とした第三者割当増資を実施。IMAGICAはこれによりVCM株2600株を取得し,持ち株比率を5.6%とする。