メモリ大手のドイツQimonda AGは,2008年会計年度第3四半期(2008年4~6月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は,対前年同期比48%減の3億8400万ユーロと半減した。営業損益は3億5900万ユーロの赤字で,前年同期から赤字額がわずかに減少したものの,純損失は4億100万ユーロを計上し,前年同期から赤字額をほぼ倍増させた。減収の要因は,主に製品の平均販売価格が前年同期から45%下落したためという。同社のビット換算による出荷量は前年同期に比べて12%増加したが,急速な価格下落の影響を吸収しきれなかった。

 同社は第3四半期に,生産性の低い外部委託のファウンドリー生産を完全に廃止した。2008年度第4四半期には,75nm世代への迅速な移行と歩留まりの向上によって,1個当たりの製造コストを大幅に削減できるとする。同社のPresident兼Chief Executive OfficerであるKin Wah Loh氏は,「80nmおよび75nm世代への移行は,第3四半期末の時点でほぼ90%完了している」と説明する。また,同社は計画通り,2008年9月末までに人員削減およびコスト削減プログラムを完了する予定で,この結果,四半期単位の損益分岐点を約4500万ユーロ低下できると見込む。

 同社は,2008年9月に65nm世代の埋め込み型ワード・ライン技術を導入した製品の量産を開始する予定。最初の65nm世代品である1GビットのDDR2品は現在,部品レベルで米Intel Corp.の認証を獲得しているという。

 2008年度第4四半期のビット換算による生産量は,直前期と比べて20%以上増加する見通し。2008年度通期のビット生産量では,前年度比で20~30%増を目標とする。サーバー,民生および通信向けのDRAMの堅調な伸びに加え,パソコン向けモジュールが大容量化することが,ビット需要の拡大につながるとみる。2009年度のビット換算による出荷量は,前年度比で30~40%増加すると予測する。