[画像のクリックで拡大表示]

 NECエレクトロニクスの100%子会社である中国の日電電子(中国)有限公司と中国の北京理工大学は,両者が共同開発した車載用電子制御システムが,北京オリンピックの公式シャトルバスに採用されたと発表した(発表資料)。オリンピック会場と選手村を結ぶ電動シャトルバス50台に採用された。

 採用されたシステムは,CAN(Controller Area Network)の主制御を行うシステム。電池残量を検査し,その残量に応じて高速/低速/安全の3種類の運行モードを自動選択する機能や,故障が発生した際に,故障箇所の表示や故障の診断を行う機能を搭載する。NECエレクトロニクスの32ビット・マイコン上で稼働するソフトウエアを北京理工大学が開発した。

 日電電子(中国)は,以前から中国の複数の大学において研究開発支援を行っている。北京理工大学とは2006年5月に,車載用電子制御システムを研究開発する共同実験室を開設した。この共同開発において,日電電子(中国)は,車両通信ネットワーク規格であるCANを制御する32ビットのマイコン「V850ES/FJ2」およびソフトウエア開発ツールなどの提供や技術支援を行ってきた。

 両社は,今回共同で開発した電子制御システムが,中国の電動バスのCAN通信制御用のリファレンス・ボードとして普及することを期待するとしている。