図1 エコ・モジュールのうち,人感センサと照度センサを備えたフリーアドレス・ハイブリッドセンサ(手前蛍光灯の間の部分)と,個別空調の吹き出し口(奥蛍光灯の間の部分で,青いテープが張られているところ)。
図1 エコ・モジュールのうち,人感センサと照度センサを備えたフリーアドレス・ハイブリッドセンサ(手前蛍光灯の間の部分)と,個別空調の吹き出し口(奥蛍光灯の間の部分で,青いテープが張られているところ)。
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図2 個別空調の吹き出し口部分(上)とフリーアドレス・ハイブリッドセンサ(下左)とフリーアドレス・ワイヤレスリモートサーモ(下中),個別空調用のリモコン(下右)。個別空調の吹き出し口のシャッターを開閉することで,人が気流を感じない拡散気流モードと,気流を感じさせる指向気流モードを実現する。
図2 個別空調の吹き出し口部分(上)とフリーアドレス・ハイブリッドセンサ(下左)とフリーアドレス・ワイヤレスリモートサーモ(下中),個別空調用のリモコン(下右)。個別空調の吹き出し口のシャッターを開閉することで,人が気流を感じない拡散気流モードと,気流を感じさせる指向気流モードを実現する。
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図3 エコ・モジュールの説明。ハイブリッドセンサで集めたデータは集中管理しており,セキュリティなどにも役立てているという。
図3 エコ・モジュールの説明。ハイブリッドセンサで集めたデータは集中管理しており,セキュリティなどにも役立てているという。
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 鹿島は,センサや個別空調などを組み合わせることで,オフィス・ビルの消費エネルギーを削減するシステム「ユビキタス居住環境制御『エコ・モジュール』」を,東京ビッグサイトで2008年7月23~25日に開催している「エネルギーソリューション&蓄熱フェア’08」で展示した。

 人の有無,照度,温度の変化に応じて照明や部分的な空調などを管理する。同社の本社ビルと赤坂別館に導入し,2007年7月に竣工してから実質1年弱使用した。これらの建物では,1年間の光熱に必要な消費エネルギーを1m2当たり1700MJ程度に抑えられる見込みとする。一般的なオフィスの場合は約2000MJ/(m2・年)という。なお,赤坂別館でアンケートしたところ,同ビルに移転する前は58%の人が熱(室温)に関して不満を持っていたが,移転後は不満を持つ人が18%に減った。同社は,エコ・モジュールによって省エネと快適性を両立できると主張する。

 エコ・モジュールでは,天井に設置する「フリーアドレス・ハイブリッドセンサ」と間仕切りなど任意の場所に張り付ける「フリーアドレス・ワイヤレスリモートサーモ」を利用する。前者は,在席状況を確認し照明を制御するための人感センサと照度センサを搭載する。後者は,温度センサを搭載し,取得したデータをハイブリッドセンサに無線で送信する。

 空調は全体的な空調と狭い範囲の個別空調があり,センサの情報は主に個別空調の制御に用いる。照明については,在席状況に応じて天井の蛍光灯を調光したり,明るさに応じて窓のブラインドの開閉を制御したりする。また,イントラネットを介して個別空調の温度を設定したり,蛍光灯を自分の好みに調光したりできるといった機能も備えた。

 現在「自社のビルでも使ってみたいという見学者がとても多い」(説明員)状況とするが,鹿島建設の本社ビルと赤坂別館以外で公表できる案件はないという。同社では,デスク・ワーク従事者の多い本社オフィス・ビルなどの需要が高いと見て,売り込んでいくとする。