三菱電機 中津川製作所 太陽光発電システム部長 有本智氏
三菱電機 中津川製作所 太陽光発電システム部長 有本智氏
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太陽電池業界をリードしてきた日本の太陽電池メーカーの存在感が急速に低下している。2007年の生産量では,シャープが首位から陥落,他の日本メーカーもことごとく順位を落とした。今後も,LSIメーカーや製造ラインの一括供給を受けた新規メーカーなどが量産に乗り出す。日本メーカーは,海外メーカーにどのように挑むのか。各社に聞いた。(聞き手=河合 基伸)

――2007年の生産量ランキングでトップ10圏外になりました。

 2012 年に500MWの生産能力にすることを発表済みです。現在,計画の前倒しなどを含めて,適切な投資のあり方を検討しています。2012 年の市場規模の予測はさまざまですが,全体が10GWとすれば500MWで5%のシェアとなります。ベスト10に入るかは分かりませんが,それだけあればコスト競争力は維持できるでしょう。

――どのような市場を目指していますか。

 ビルや工場,家庭の屋根の上などです。これらの設置面積が限られる用途では,変換効率の高さが特に重要になります。部材が高騰しており,この点でも高効率が有利です。変換効率で結晶Si 型太陽電池に勝てる方式はないでしょう。現在,研究レベルでは「ハニカム構造セル」を採用した多結晶Si 型太陽電池セルで変換効率18.6%を達成しています。

――薄膜Si型太陽電池の生産計画はありますか。

 しばらくは,ハニカム構造セルなどの技術を生かした多結晶Si 型太陽電池を続けます。多結晶Si 型太陽電池は,まだまだ進化します。枯れた技術ではありません

詳細は,日経マイクロデバイス2008年8月号のCover Story「太陽電池,日本の勝算」に掲載しています。