薄さの秘密

 MacBook Airを真横から見ると,本体部はいちばん厚いところで12.5mm程度ある。この部分は断面図で見るとキーボード部のために一段低くなっており,内部には思いのほか薄い空間しか残されていない。底板の厚みは約0.8mm。キーボードが取り付けられるメッシュ状になったリブの厚みは2.0mmもあるため,キーボード部の下の空間高は,最小5.0mm,最大でも7.8mm。この空間に,どのようにしてメカニズムが収められているかを各種イラストで見てほしい。


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 通常のノート・パソコンであれば,キーボードを下から支えるフレームが存在するわけだが,キーの間にメッシュ状のアルミリブ(断面の幅2.2mm,高さ2.0mm)を通し,ここにキーボードをつり下げる構造とすることで,下のフレームを無くしているのが構造上の大きな特長。その分薄くできるわけだ。

 キーボードのメンブレン・スイッチ部は,キー照明用の導光板と合わせても厚さジャスト1.0mm。単体では手で持つと自重で強くしなるほどぐにゃぐにゃだが,本体天板のメッシュ状リブに50本あまりのネジで取付けることで打鍵圧による変形を防いでいる。

 円筒形にとらわれず薄く成形が可能なLiポリマ2次電池の採用も,薄型ボディ実現のために不可欠だ。


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