NECエレクトロニクスと無線ネットワーク開発企業であるスカイリー・ネットワークスは,無線通信規格の「ZigBee PRO」に適合したネットワーク制御ソフトウエアを共同で開発したと発表した(発表資料)。加えて,同ソフトウエアを搭載したZigBeeプラットフォームに対して,ZigBeeの標準化団体であるZigBee Allianceから,ZigBee PROに対応することを認める適合性認証を日本で初めて取得したという。

 ZigBee PROは,従来のZigBee規格に比べて伝送経路構築が効率化されているほか,アドレス決定機能や複数の相手への同報配信機能,通信品質の管理機能が強化されている。また,大容量データの分割配信機能も持つ。

 今回開発したソフトウエアは,NECエレクトロニクスの組み込みマイコン技術と,スカイリー・ネットワークスのピア・ツー・ピア型のメッシュ・ネットワーク技術を用いて実現したもの。認証を取得したプラットフォームは,NECエレクトロニクス製の16ビットのマイコン「78K0R」,台湾Uniband Electronic Corp.の無線チップ,今回開発したネットワーク制御ソフトウエアで構成されている。省エネルギー・システムや防災システィ,セキュリティ・システムなどの構築にこのプラットフォームを使うと,組み込みマイコンのネットワーク機能を利用してネットワークの制御ができるとする。

 両社は,2006年11月からZigBee対応システムを構築するためのプラットフォームの開発に着手し,2007年10月にはこのプラットフォームのZigBeeへの適合性認証を取得した。その後,組み込みマイコン間のネットワーク機能を強化したネットワークを構築したいというニーズに対応するため,今回開発したネットワーク制御ソフトウエアの共同開発などを進めてきたという。

 なお,両社は78K0Rに今回開発したソフトウエアを組み込んだデモを,2008年7月22~24日に東京ビッグサイトで開催される「Wireless Japan 2008」に出展する予定である。