英ARM Ltd.と米Carbon Design Systems, Inc.は2008年7月7日,Carbon Design Systems社がARM社のESLツール「SoC Designer」の開発やサポート,販売事業を引き継ぐことで合意したと発表した(発表資料)。ARM社のSoC Designerの開発チームの主要メンバーは,Carbon Design Systems社に加わり,米国カリフォルニア州のIrvineで同社の新しい開発拠点を作る。

 さらに,Carbon Design Systems社はSoC Designerを最適化するため,ARM社の知的財産権(intellectual property)を利用することも可能となる。「ARM」アーキテクチャのマイクロプロセサや周辺回路群「PrimeCell」などに向けたサイクル精度のシミュレーション・モデルの生成などが対象になる。

 ARM社のSystem Design Divisionのvice president兼general managerであるJohn Cornish氏は,「今回の合意によって,他の環境と相互運用が可能なモデルの提供が可能になり,我々の顧客が設計フローを選択肢できるようになる」とコメントを寄せている。

 一方,Carbon Design Systems社のCEOであるRick Lucier氏は,「当社は,2007年にバーチャル・プロトタイピング分野に経営資源を集中させることによって顧客基盤を倍増させた。ARM社とともに,正確で高速なシミュレーション・モデルの生成を加速することで,顧客であるSoCメーカーは製品の市場投入までの時間を短縮できるようになる」とコメントを寄せた。