富士通研究所が開発した,撮影したデジタル映像から一部を切り出した場合に,その映像が元の映像の一部であることや改ざんがないことを保証し,撮影された時刻を確認できる技術の概要
富士通研究所が開発した,撮影したデジタル映像から一部を切り出した場合に,その映像が元の映像の一部であることや改ざんがないことを保証し,撮影された時刻を確認できる技術の概要
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 富士通研究所は,撮影したデジタル映像から一部を切り出した場合に,その映像が元の映像の一部であることや改ざんがないことを保証し,撮影された時刻を確認できる技術を開発した(発表資料)。これにより,例えば長時間撮影した映像を分割して保存・管理する場合に,映像データに対して改ざんが行われていないことを保証できるとする。

 既に同社は,一つのデジタル映像ファイルから一部の映像データを切り出した場合に,(1)それが元の映像の一部であることの保証,(2)改ざんがないことの保証,(3)誰がどの部分を切り出したかの確認,の三つが可能な技術を開発していた。今回新たに,分割された映像データの連続性を保証する情報(検証データ)を各映像データに関連付けし,時刻配信機関から取得した正確な時刻情報と共に管理する技術を開発して組み合わせた(図)。

 今回の技術により,例えば長時間撮影し続ける監視カメラの映像を分割して一部だけを保存した場合でも,それらの映像を証拠物件として利用できるようになるとする。同社は今後,監視目的で撮影した映像の蓄積や保存,活用に加えて,改ざん部分の検出や追跡を可能にする「映像証跡ビジネス」への適用を目指すという。

 富士通研究所はこの技術の詳細を,2008年7月24~25日に福岡市で開催される「情報処理学会コンピュータセキュリティ研究会(CSEC)研究発表会」で発表する。