インターネットにおける電子IDカードの普及促進を目指す非営利団体「The Information Card Foundation(ICF)」は米国時間2008年6月24日,正式な結成を発表した。中心となる設立メンバーは,米Equifax,米Google,米Microsoft,米Novell,米Oracle,米PayPal。5社のほか,技術業界の主要人物9人が理事会に名を連ねる。

 ICFの目的は,すでにオフラインの世界で頻繁に利用されているIDカードをオンラインにも拡大すること。消費者は,カードに格納された自身の情報を管理し,重要度の異なる情報を納めた複数のカードを,用途に応じて使い分けることができる。

 「ユーザー名とパスワードを使ってWebサイトにログインするのではなく,手続きに必要な情報のみを提示して安全にデジタル認証を行える。企業にとっても,詐欺被害のリスクが減り,顧客と良好な関係を築くことができる」(ICF執行ディレクタのCharles Andres氏)

 ICFは,オープンで信頼性と相互操作性の高いIDレイヤーの開発を支援する。インフラ形成には,新たな技術も含めて,さまざまなデータ変換やセキュリティ・プロトコル,業界標準,ソフトウエア・コンポーネントを使用する。個人情報に対するユーザー自身の管理権限にも配慮する。

 米メディアの報道(CNET News.com)によると,ICFが考えているのは,ユーザー,銀行やクレジットカード会社などのカード発行元,金融サイトやECサイトなどのカード利用サイトという3者が,暗号化接続を介してリアルタイムに情報を同期するシステム。いつでもインターネットで使えるクレジットカードと異なり,3者がリアルタイムで同期しなければ,処理されない。

 特に金融,小売り販売,教育,行政,ヘルスケア,旅行,エンターテインメント,ソーシャル・ネットワーク関連などの企業や組織にとってメリットが高いとしている。

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