カナダのNortel Networksは現地時間2008年6月11日,迅速な第4世代(4G)無線通信技術の事業化を実現するため,研究開発リソースを携帯電話向け通信方式Long Term Evolution(LTE)に集中させると発表した。これまで取り組んできた無線ブロードバンド規格WiMAX対応製品の開発は,イスラエルAlvarionとの共同作業に切り替える。

 この方針転換により,LTEの事業化が業界の予想より早い段階で可能になるという。同時に,WiMAX対応製品の開発に必要な期間とコストを減らせると見込む。

 LTEは,米Verizon Communicationsと英Vodafone Groupが策定し,無線インターネット関連の標準化組織Third Generation Partnership Project(3GPP)が検討中の標準規格。第3.5世代(3.5G)のHSDPAやHSUPAに続く方式で,第4世代(4G)の一歩手前のシステムとして3.9世代(3.9G)に分類されることがある。最大通信速度は,OFDMA技術を使って下り100Mbps以上,上り50Mbps以上を目指す。

 Nortelは米Verizon WirelessやフランスAlcatel-Lucent,スウェーデンEricsson,米Motorola,フィンランドNokiaとドイツSiemensの合弁会社Nokia Siemens Networksなどとともに,LTEの実証実験を行っている(関連記事:VerizonとVodafoneなど,3.9G通信方式「LTE」の共同試験を2008年に開始)。

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