Vice President,Search Products & User ExperienceのMarissa Mayer氏
Vice President,Search Products & User ExperienceのMarissa Mayer氏
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 グーグルは2008年6月9日,「Google Search Day」と題して記者会見を開催し,同社の主力事業である検索技術の進展について説明した。会見には米国本社である米Google Inc.でVice President,Search Products & User ExperienceのMarissa Mayer氏。同社初の女性エンジニアとして,ユーザー・インタフェースおよびWebサーバーのチームを率いてきたという。

 同氏はまず初期のテスト段階におけるGoogleの検索画面を示し,「なぜこんなにシンプルだったかというと,GoogleにはWebマスターがいなかったし,創立者のSergey Brin氏がHTMLを書かなかったから」(Mayer氏)という単純な理由があったと説明。だがユーザビリティ調査の際に,ユーザーが表示が終わっても検索を始めなかった。何を待っているか聞いたところ,「他に何か表示されるのを待っている」と答えられたという。そこで,ページ最下部にCopyright表示を付けた。「著作権を主張する意図はなく,これ以上表示する内容がないことを分かってもらうためだった」(Mayer氏)としている。

 さらにWebサイトに掲載された通常のWebページだけでは,利用者を満足させる検索結果を得るには不十分として,「動画や画像,ニュース,書籍など,あらゆる検索対象を統合的に検索できる『Universal Search』を実装している。例えばネクタイの結び方などは,動画や図解の方が分かりやすい」(Mayer氏)。またコンテキストに応じた検索により,検索精度の向上を図っていると説明した。例えば「DR」は場合により「Doctor」「Drive」「Dominican Republic」など利用場面で変えて検索している。

 携帯電話機の応用としては,最近米国で正式サービスを始めた「GOOG-411」を紹介した。フリーダイヤルの番号にかけて音声で問い合わせると,適切な通話先を検索して接続するサービスである。場所と業種(例えばPizza Delivery)などを指定すると,検索結果を音声で案内する。その番号を音声で指定すると,その事業所に電話をつなぐ。こうした音声技術を利用することで,「新しい検索の入り口を提供する」(Mayer氏)狙いがある。

 もう一つ比較的最近リリースしたサービスとして,自動翻訳による検索「Translated Search」も披露した。検索キーの言語と検索対象のWebサイトの言語を指定して検索する。例えばアラビア語を検索キーとして入力し,英語のサイトを検索できる。検索結果についても自動翻訳して検索キーと同じ言語で表示する。「日本語や英語など,コンテンツが比較的多い言語では問題ないが,例えばアラビア語などはWebページの数が少ない。こうした言語でも適切な検索結果が得られるようにして,利用者の利便性を高めたい」(Mayer氏)。

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