図1 東芝テックが発売する複合機「e-STUDIO 4520C」
図1 東芝テックが発売する複合機「e-STUDIO 4520C」
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図2 高機能品となる「e-STUDIO 6530C」
図2 高機能品となる「e-STUDIO 6530C」
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 東芝テックは,100V/15Aのオフィス向け電源で毎分45枚のカラー印刷が可能な複合機「e-STUDIO4520C」を発売する(図1)。価格は210万円で,発売日は2008年6月10日である。

 東芝テックでは,トナーを紙に定着させる際の温度管理とトナーの改善により,動作時の電力を抑えつつ高速な印刷を可能とした。トナーを紙に高品質で定着させるには,紙とロール間の温度を160~180℃に管理する必要があるという。温度が高すぎるとトナーの粘度が高くなりすぎ,温度が低すぎるとトナーが剥がれやすくなる。

 印刷時の温度は紙を送る場合に低下しやすく,高速な印刷を実現するには,狙った温度に素早く制御する必要がある。トナー定着時の熱は電磁誘導過熱(IH)方式で発生し,温度制御用のDSPを搭載することで紙の厚みに応じた温度制御を実現した。トナーについては,直径6μm程度の粉体トナーを新たに開発した。材料にはポリエステル系を使い,少ない熱量で溶解することが特徴である。

 このほか,東芝テックは今後の事業戦略について説明した。2007年時点における世界シェア7%のところを,2010年には10%にする方針を示した。シェア向上のために国内販売を強化する方針で,2007年時点で3%の国内販売シェアを,2010年には5%にする目標を掲げる。中国とインドにおいてはシェア1位で,モノクロ複合機の販売を引き続き強化する方針という。

 また,高機能品となる「e-STUDIO5520C/6520C/6530C」も発売する(図2)。価格はそれぞれ420万円,534万円,560万円で,発売日は2008年秋ころを予定する。電源は100V/23Aに対応し,印刷速度を速めたことが特徴である。

<訂正>記事掲載当初,最高速のカラー印刷を目指したのが「e-STUDIO4520C」と受け取れるコメントを記載しておりましたが,正しくは「e-STUDIO6530C」です。お詫びして訂正いたします。本文は修正済みです。