米Frost&Sullivanは米国時間2008年5月27日,北米のモバイル通信市場について調査した結果を発表した。それによると,2007年の同市場の売上高は1590億ドルを超えており,2013年までに1806億ドル規模に達すると予測している。

 北米地域の同市場は飽和状態に近づいており,モバイル・サービス事業者にとって,これまで十分にサービスが提供されてこなかった分野と1ユーザー当たりの平均売上高(ARPU)の維持が課題になるという。

 レポートによれば,市場シェアを拡大するためには,プリペイド部門や信用履歴が良くない顧客部門などをターゲットにする必要があるという。また,売上高を維持するためには,ワイヤレス・サービスおよび消費者に直接提供するデータ・サービス部門が重要になるとしている。

 第3世代(3G)サービスを導入することで,新規顧客の獲得と既存顧客のアップグレードにつながる。米国では,モバイル・データからの売上高の増加と,モバイル・マルチメディアおよびブロードキャスティング・サービスの導入と拡大が見込めるという。また,モバイル・ソーシャル・ネットワーキング,モバイル広告,検索,銀行取引,支払いサービスなどの導入が進むという。米国の主要モバイル事業者はほぼ同レベルのサービス可用性を実現しており,価格,サービス品質,端末などがサービス差別化の要素になるとしている。

 カナダでは,引き続きデータ・サービスからの増収とARPUレベルの維持が期待でき,モバイル広告,銀行取引,支払いサービスなどの導入が始まるという。

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