実証実験のイメージ(東京都下水道局)
実証実験のイメージ(東京都下水道局)
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 シャープと東京都下水道局は共同で,「新型太陽光発電システム」の実証実験を始めた。下水道局の葛西水再生センターに,一軸タイプの太陽追尾システムを搭載した薄膜Si型太陽電池を設置した。薄膜Si型太陽電池と一軸タイプの追尾システムを組み合わせたのは,日本で初めてになるという。なお,実験に使うのは,タンデム構造の薄膜Si型太陽電池である。

 実証実験は,2009年3月末まで実施する。水処理施設の電源系統への接続安定性や,外気温や入射角度による発電効率の変化などを検証する。東京都下水道局は,追尾システムを使わない場合に比べて,年間を通した出力が1割増えると試算している。比較のために,追尾システムを使わない薄膜Si型太陽電池も設置した。

 葛西水再生センターでは,下水道をくみ上げるポンプや,空気を送り込むブロワーなどの消費電力が1万4000kWに達する。環境負荷低減のためにも,自然エネルギーの利用が求められている。葛西水再生センターなどの水処理施設は,敷地が広く,昼間に消費する電力が多いことから,太陽電池の利用が適している。

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