会見で挨拶するタニタ 代表取締役社長の谷田大輔氏
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センサ部に尿(写真では試験液)をかけて測定する
センサ部に尿(写真では試験液)をかけて測定する
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測定後はセンサ部を水洗し,キャップ内の保存液にセンサ部を浸す。そのままキャップを閉めれば保存液は漏れない。センサ部を折りたたんで持ち運ぶ。
測定後はセンサ部を水洗し,キャップ内の保存液にセンサ部を浸す。そのままキャップを閉めれば保存液は漏れない。センサ部を折りたたんで持ち運ぶ。
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写真左は,キャップをしてセンサ部を折りたたんだ状態。写真右は,赤外線通信で本体からデータを受け取るUSBメモリ。赤外線通信機能は現在開発中であり,今回の機種には組み込まれていない。
写真左は,キャップをしてセンサ部を折りたたんだ状態。写真右は,赤外線通信で本体からデータを受け取るUSBメモリ。赤外線通信機能は現在開発中であり,今回の機種には組み込まれていない。
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 タニタは2008年5月20日,携帯型のデジタル尿糖計「UG-201」を開発し2008年6月20日から発売すると発表した。尿糖値を計ることで,メタボリック・シンドロームの診断基準の一つである血糖値を間接的にチェックできる。同社は2004年から据え置き型のデジタル尿糖計を販売してきたが,外食時などにも利用したいとの要望が多く,今回携帯型を商品化した。

 通常,血糖値を測定する場合には穿刺採血が必要であり,被測定者に負担がかかる。特に糖尿病の初期に見られる食後高血糖を把握するためには,食後に複数回採血する必要があり,負担が大きかった。今回は血糖値そのものを計ることはできないものの,血糖値と相関性の強い尿糖値を測定することで,メタボリック・シンドロームや糖尿病の予防に役立てる。センサに尿をかけるだけで手軽に測定できるほか,携帯型なので外食後のチェックも可能となる。

 UG-201は酵素電極法を使ったバイオ・センサを搭載する。センサ部をキャップ内の保存液に浸した状態で持ち運べるようになっている。利用する際にはキャップを外し,センサ部に直接尿をかける。キャップは内部の保存液がこぼれないように本体カバーの穴に立てておく。測定は約6秒で完了する。測定後はセンサ部を水で洗い,キャップをしてセンサ部を保存液に浸す。センサ部は折りたためる構造になっている。尿糖の測定範囲は1dl(デシリットル)当たり0~2000mg。尿糖値は最小10mg/dl単位(高濃度領域では100mg/dl単位)で表示する。測定後,次の測定までに約3分間の待ち時間が必要。また,週に1回ほど基準液を使って校正する必要がある。

 本体の寸法は68mm×118mm×22mm,電池を含まない重量は約80g。カバー,センサ・カートリッジ,保存液ボトルを含む総重量は約150g。本体はコイン型Li電池(CR2032)1個で駆動しており,1日3回測定した場合に約180日間の利用が可能。センサ・カートリッジは60日以内で200回まで利用できる。価格はオープンだが,実勢価格は本体とセンサ・カートリッジなどを含む初回セットが1万6000円前後,センサ・カートリッジが6000円前後とする。センサ・カートリッジ1個で200回測定できるので,測定1回当たりのコストは約30円となる。当初は年間3000セット,2010年度までに累計3万セットの販売を計画している。

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