三菱化学 プロジェクトPV プロジェクト・ディレクターの星島 時太郎氏 (写真:斉藤 哲也)
三菱化学 プロジェクトPV プロジェクト・ディレクターの星島 時太郎氏 (写真:斉藤 哲也)
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三菱化学は,太陽電池関連事業の拡大に向けて動き始めた。事業拡大のカギを握るのが,有機太陽電池への参入である。2008年に立ち上げた「プロジェクトPV」を率いる,プロジェクト・ディレクターの星島 時太郎氏に,戦略を聞いた。(聞き手=河合 基伸)

――太陽電池関連の売り上げを,どのように拡大する計画ですか。

星島氏 現在,太陽電池向けの原料や部材の売り上げが約20億円あります。この原料・部材の拡販に加えて,グループ企業の原料や部材,技術を組み合わせた製品を開発することで,2010年に売上高100億円を達成します。さらに,有機太陽電池に参入することで,将来は売上高1000億円を目指します。

――有機太陽電池の量産に向けた開発スケジュールは,どのようになっていますか。

星島氏 2010年ごろに,有機太陽電池の試作品を披露します。そのときの変換効率は,できれば7%を目指したいですね。ロール・ツー・ロールでの製造が可能なことを示すために,長さ3m程度を狙います。こうした技術を発展させて,2015年までには量産のメドを立てます。量産時はタンデム構造などの採用により変換効率を15%に,さらに将来はナノ材料などを使って20%以上の変換効率を目指します。

――さまざまな種類がある太陽電池の中で,なぜ有機太陽電池に目を付けたのですか。

星島氏 有機太陽電池を選んだのは,「軽くて薄くて曲がる」という特性を持つとともに,ロール・ツー・ロールで安価に大量生産が可能だからです。われわれは,フィルムの事業を手掛けており,そこで培ったもの作りの技術を生かせば勝算があると考えました。

詳細は,日経マイクロデバイス6月号のInterviewに掲載予定です。

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