国内のパソコン出荷台数の推移
国内のパソコン出荷台数の推移 (画像のクリックで拡大)

 MM総研は,2007年度(2007年4月~2008年3月)における国内のパソコンの出荷実績を発表した(発表資料)。出荷台数は対前年度比0.1%増の1304万2000台で,前年度とほぼ同水準だった。半期ごとに見ると,上半期の出荷台数が対前年同期比5.2%減の592万台,下半期は同5.0%増の712万2000台で,後半の方が好調だった。半期ベースの出荷台数で700万台を突破したのは,2005年度下半期以来という。2007年度の出荷金額は,対前年度比1.3%減の1兆5400億円だった。平均販売単価は11万8100円で前年度から1720円下落したものの,個人向け市場で高性能なマイクロプロセサやメモリを搭載した製品が伸びたことによって,単価下落を押しとどめたとする。

 メーカー別出荷台数を見ると,外資系メーカーが好調だった。日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は,順位を一つ上げて5位に入った。同社の出荷台数は,対前年度比18.1%増の100万7000台で,上位7社の中で唯一2ケタ成長を遂げた。シェアは同1.2ポイント増の7.7%だった。次いで好調なのは3位のデル。出荷台数は対前年度比8.5%増の198万2000台で,シェアは同1.2ポイント増の15.2%。企業向け市場に加えて,個人向け市場でもチャネル事業を開始し,シェアを伸ばした。

2007年度のメーカー別出荷台数シェア
2007年度のメーカー別出荷台数シェア (画像のクリックで拡大)

 その他のメーカーを見ると,首位はNECで,対前年度比1.8%減の267万台を出荷した。得意とする個人向け市場で,一体型デスクトップ・パソコンの需要が落ちこんだがことが,出荷台数の減少につながったという。シェアは同0.4ポイント減の20.5%。ただし,NECは2008年度に入って個人向けシンクライアント・システム「Lui」を市場に投入し,新たな分野の事業の育成に取り組んでいる。2位は富士通で,出荷台数は対前年度比3.5%増の251万6000台。国内で一貫生産をしているノート・パソコンが,出荷台数を押し上げた。シェアは同0.6ポイント増の19.3%だった。4位は東芝で,出荷台数は対前年度比1.9%減の129万5000台,シェアは同0.2ポイント減の9.9%だった。

 市場別に見ると,個人向け市場が全体を牽引した。個人向け市場の出荷台数は,対前年度比2.5%増の562万7000台。一方,企業向け市場の出荷台数は同1.6%減の741万5000台と低調だった。企業向け市場は買い替え需要の谷に当たっており,出荷台数の減少は予想通りという。2008年の出荷台数は増加すると見込むものの,景気後退に伴う設備投資の減少などから,順調に市場が回復するかどうかは不透明とMM総研は説明する。

 2008年度の出荷台数は対前年度比2%増の1330万台と予測する。上半期は,企業向けの買い替えが順調に進むことによって,出荷が増加すると見る。下半期は前年並みの出荷台数を見込む。