CMも検索して視聴できる。出演者や製品分野などから検索可能
CMも検索して視聴できる。出演者や製品分野などから検索可能 (画像のクリックで拡大)

 CMは,一週間に同じものが何度も放送されます。検索結果の表示画面で,それをすべて表示してしまうと同じものが並ぶだけになって意味がない。そこで映像信号を解析して同じCMを判別しています。1週間に何度放送されても一つのCMは,画面上では一つしか表示されません。逆に言うと,検索ワードに対して1週間で何種類のCMが放送されたか一目で分かります。

能動と受動を組み合わせる

——かなりマニア向けの機械という気がします。

有吉氏 そうでもないですよ。例えば我が家では家内がSPIDER PROの最大のヘビーユーザーです。各局の連続ドラマを2倍速で見て「同じ時間で2倍のドラマが見られる」と喜んでいます。2倍速までの再生なら音声付きで見られるようにしてありますから。私は2倍速でドラマなんてとても見られないんですけどね。家内はすごいです(笑)

 小学生の娘は友達に「昨日の××は面白かった」と言われて,「知らなかった。教えてくれてありがとう。家に帰って見てみるよ」と答えて,怪訝な顔をされたと話していました。SPIDER PROで過去の番組を探して見るのは彼女にとって当たり前なんです。ただ,友達はそうじゃないってことが分かっていないようなので,よく言っておかないといけませんね(笑)。

PTP 代表取締役社長の有吉昌康氏
PTP 代表取締役社長の有吉昌康氏 (画像のクリックで拡大)

 私個人として気に入っているのは「スクリーン・セーバー」機能です。操作画面で何もせずに一定時間が経過すると,録画データから番組とCMを無作為に選び出して15秒ずつ交互に再生するんです。ボーッと眺めていても面白いし,「おっ,今のは何だ!」と興味を持ったら,ボタンを押して続きを再生できます。究極のザッピングですね。チャンネルだけでなく,時間方向にもザッピングできるわけです。その結果,思いも寄らなかったコンテンツに出会える。つい見入ってしまうような面白いコンテンツがたくさん見つかります。自分が知らなかっただけなんですが,テレビの底力を実感しますね。

 SPIDER PROが面白いのは,こんな風にテレビを見る体験がこれまでと大きく変わる点です。コンテンツ自体は現在放送されているものですが,1週間分を横断的に保存し,内容で検索する機能を付加することで,これまでと全く異なるテレビ番組やCMの楽しみ方ができる。こういう体験を多くのユーザーに味わってほしいと思っています。

サービス側の拡張で新しい価値を

——ネットとの連携を生かした機能はほかにありますか。

有吉氏 同じSPIDER PROを共用する家族や,別のSPIDER PROを利用する知人に,推奨番組をコメント付きで伝える機能があります。リモコンの「紙飛行機」ボタンを使います。別のSPIDER PROとの連絡には我々のサーバーを介する形になっています。SPIDER PROのユーザーすべてが見られる場所に感想を投稿することもできます。