米Spansion Inc.は2008年4月28日,米IBM Corp.と特許のクロスライセンス契約を締結したと発表した(発表資料)。契約期間は7年間。

 IBM社は最近,スピントロニクス技術に基づく新たな不揮発性メモリ「Racetrack Memory」を発表した(Tech-On!の関連記事)。Racetrack Memoryは,アクセスの性能が高く,かつ堅牢性に優れるという半導体メモリの特長と,コストが低くて大容量というHDDの特長の両方を兼ね備えるという。今回のクロスライセンス契約は,Racetrack Memoryなどを視野に入れている可能性がある。

 Spansion社の研究・開発担当のexecutive vice presidentであるLouis Parrillo氏は,「IBM社と特許のクロスライセンス契約を締結することで,世界最先端の技術のいくつかを利用できるようになり,フラッシュ・メモリの設計,製造および全般的な技術革新において,さらなるリーダーシップを発揮できると確信している」とコメントを寄せている。

 また,Spansion社とIBM社は,中国市場向けのフラッシュ・メモリ・ソリューションの開発においても,引き続き提携する。Spansion社は現在,大中華圏の家電および携帯電話機分野の複数メーカーと協業を行っている。Spansion社は,中国の蘇州に後工程工場,蘇州と北京に設計センター,北京・上海・深センに販売およびマーケティングの拠点を置いている。