韓国Samsung Electronics Co., Ltd.の2008年1月~3月期決算は2ケタの増収増益になった。売上高は前年同期比19%増の17兆1100億ウォン,営業利益は同82%増の2兆1500億ウォン,純利益は同37%増の2兆1900億ウォンである。大型液晶パネルや携帯電話機の販売増が好決算のけん引役になった。

 液晶パネル部門の売上高は前年同期比53%増の4兆3400億ウォンだった。営業利益は前年同期の700億ウォンに対して1兆100億ウォンと大きく伸びた。通常の季節傾向に沿えば1月~3月期は大型液晶パネルの需要が停滞するはずだったが,ノート・パソコン向けとテレビ向けの売り上げが好調だったという。大型液晶パネルの出荷枚数は前年同期比55%増,直前四半期とほぼ同等の2290万枚だった。平均販売単価もパソコン向けは低下したものの,テレビ向けは直前四半期の水準を保ったという。

 半導体部門の売上高は前年同期比2%減の4兆3900億ウォン,営業利益は同64%減の1900億ウォンと振るわなかった。DRAM,NANDフラッシュ・メモリの両方で,供給過剰と業界の季節傾向により,価格が下落したとしている。例えば,8Gビットの多値NANDフラッシュ・メモリの価格が直前四半期から35%下落したという。Samsung社はDRAMに関しては今後,68nmプロセスによる1Gビット品の生産比率を上げてコスト削減につなげる考え。NANDフラッシュ・メモリについては51nmプロセスによる16Gビット品の販売比率を拡大して平均販売単価の下落を食い止める方針である。

 通信部門の売上高は前年同期比21%増の5兆5500億ウォン,営業利益は同53%増の9200億ウォンと好調だった。携帯電話機の販売台数は前年同期比33%増の4630万台。中国やインドといった新興市場で売り上げを伸ばした。ただし,平均販売単価は直前四半期の148米ドルから141米ドルに低下している。