図1 デンセイ・ラムダの代表取締役社長で,TDK 常務執行役員である鈴木武夫氏
図1 デンセイ・ラムダの代表取締役社長で,TDK 常務執行役員である鈴木武夫氏
[画像のクリックで拡大表示]
図2 現在のシェア
図2 現在のシェア
[画像のクリックで拡大表示]
図3 TDKラムダの事業戦略
図3 TDKラムダの事業戦略
[画像のクリックで拡大表示]

 TDKは2008年4月16日,今後の電源事業に関する説明会を開催した(図1)。同社は電源事業大手であるデンセイ・ラムダの連結子会社化を2008年3月末に完了しており,現在はTDKの電源事業本部をデンセイ・ラムダに移管中である。移管後の2008年10月1日に,デンセイ・ラムダは「TDKラムダ」という新社名となる(Tech-On!関連記事)。説明会でTDKは,2010年に外販電源事業におけるTDKラムダの世界シェアを現在の4%から5%に,産業機器向け電源事業の世界シェアを現在の27%から30%に高める方針を発表した(図2)。TDKラムダの電源事業における世界シェアの順位は現在4位で,産業機器向けでは1位である。

 TDKラムダの中期目標としては,2010年3月期に売上高1000億円以上,営業利益率10%を掲げる。目標達成のために「M&Aなども考えている」(TDK)という。デンセイ・ラムダの代表取締役社長で,TDK 常務執行役員である鈴木武夫氏は「最終的には世界シェアで10%を目指す」と意気込む。

 加えて,効率88%程度の現在のスイッチング電源を,93%程度に高めた製品を2010年ころに投入する計画も発表した(図3)。効率を高めるため,電源回路内のトランスやコイルなどに使う磁性材料をTDKの技術を使って改良することなどを考えているという。さらに,3年以内に技術者の数を現在の100名から145名に増やす計画も打ち出した。

 このほか,新潟県長岡市の長岡事業所に,スイッチング電源の開発を手掛ける中核拠点として「TDKラムダ長岡テクニカルセンター(仮称)」と呼ぶ新社屋を建設する方針も発表した。新社屋には,TDK製の電波暗室や各種安全規格の「登録試験所」を設置する。2008年8月に着工し,2009年5月に竣工予定である。新社屋の敷地面積は2805m 2で,延床面積は8291m2の計画である。

この記事を英語で読む