図1 Adobe Systems社 Product Manager, Flash Authoring and DistributionのJennifer Taylor氏
図1 Adobe Systems社 Product Manager, Flash Authoring and DistributionのJennifer Taylor氏
[画像のクリックで拡大表示]
図2 FLVファイルなどのコンテンツを暗号化し,デジタル署名済みの広告表示制御のファイルとともに配信する
図2 FLVファイルなどのコンテンツを暗号化し,デジタル署名済みの広告表示制御のファイルとともに配信する
[画像のクリックで拡大表示]
図3 広告表示を指定されたコンテンツをAdobe Media Playerで再生したときの画面例
図3 広告表示を指定されたコンテンツをAdobe Media Playerで再生したときの画面例
[画像のクリックで拡大表示]

 米Adobe Systems Inc.は,ダウンロード型のコンテンツ配信に向けたDRM(digital rights management)技術を実装した配信サーバー・ソフトウエア「Flash Media Rights Management Server」(以下,FMRMS)を国内で2008年4月中旬に受注開始する。米国では同年3月19日に発売した(英文の発表資料)。国内での発売を前に記者説明会を開催した同社は,「さまざまな映像配信サービスでFlash技術が使われるようになったが,今回の製品によってFlash技術をダウンロード型のコンテンツ配信サービスに広げられる」(同社 Group Product Manager, Flash Authoring and DistributionのJennifer Taylor氏,図1)とした。

 FMRMSは,ダウンロードされる動画や音声などのコンテンツのファイルを暗号化し,権限のあるユーザーだけに視聴を許可するソフトウエアである。クライアント機では,メディア・プレーヤー・ソフトウエア「Adobe Media Player」か,デスクトップ・アプリケーション実行環境の「 Adobe Integrated Runtime(AIR)」を利用してコンテンツを再生する。「WindowsパソコンのユーザーとMacのユーザーの両方にリーチできる」(Taylor氏)ことが他のDRM技術に比べた利点だとする。ストリーミング型配信サービスにおけるコンテンツ保護機能は,既存の配信サーバー・ソフトウエア「Flash Media Server」が備えている。

 広告の表示を制御できることもFMRMSの特徴である。動画などの再生中に広告をどのように表示するかを定義したSMILファイルを保護する仕組みを備えており,コンテンツのファイルだけを抽出することができないようにした(図2図3)。ユーザーへの課金と広告の表示との両方に対応することで,コンテンツ配信サービス事業者が事業形態を柔軟に選べるようにした。ユーザーの視聴権限を時限で無効にする設定も可能である。