米Intel Corp.のSenior Fellow,director Communications Technology LabであるKevin Kahn氏
米Intel Corp.のSenior Fellow,director Communications Technology LabであるKevin Kahn氏
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これからのモバイル機器に求められる要素
これからのモバイル機器に求められる要素
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 Intel Developer Forum(IDF)では通常,“0日目”のイベントとしてメディア向けのプレゼンテーションが行われる。今回のIDF Spring 2008では,まず米Intel Corp.のSenior Fellow,director Communications Technology LabであるKevin Kahn氏が「Redefining Mobility」というテーマで講演を行った。

 「現在のモバイル環境は非常に制約が多い。例えば周辺機器との接続は,物理的なコネクタのサイズや数によって制約がある。画面サイズも制限の一つになっており,ユーザーが実際にできればよいと望むことが実現できていない」と現状について述べ,将来的に「さまざまな機器と連携することによって,制約なくインターネットを利用できるようになるべき」と語った。

 これを実現するために「Carry Small,Live Large」というビジョンを掲げた。Carry Smallとは,携帯する機器をより小さくし,一方で性能を高めるというもの。いつでもどこでもネットワークにつながることができ,センサを通じて周囲の状況を検知できることも求められる。一方のLive Largeは,周囲の機器と接続することなどによって,携帯する機器だけにとどまらずにユーザーの利用環境を実現するというもの。「例えば飛行機の座席に座ったとき,携帯電話機のメールをチェックするのに座席に付いているモニターを利用する。家庭ではテレビを使う。わざわざ携帯電話機の狭い画面に閉じこめられる必要はない」(Kahn氏)。

 そのために必要な技術として,複数の無線通信機構の統合や動的な機器の発見と安全な接続などが必要だと語った。実際にIntel社が研究レベルで実現したものとして,グラフィックス画面の作成を手元の機器で実行し,それを無線でディスプレイに飛ばして表示させる技術を紹介した。またこうしたビジョンを実現するには産業界における協力や標準化が必要であると語り,Intel社ではさまざまな標準化作業に携わっていることを強調した。

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