調査会社の米Gartner, Inc.は,2007年通期の半導体の世界売上高が前年比3.8%増の2739億米ドルだったと発表した。メーカー別にみると,上位10社中3社が2ケタ増を達成する一方,4社が減収となった。

 2ケタの増収になったのは首位の米Intel Corp.と3位の東芝,7位の韓国Hynix Semiconductor, Inc.である。Intel社の2007年の売上高は前年比10.7%増の338億米ドルで,市場シェアは12.3%となった。ノート・パソコン向けマイクロプロセサの出荷増が成長を支えた。

 東芝の売上高は前年比20.8%増の118億2000万米ドルで,上位10社中で最も高い成長率を示した。世界市場シェアも前年の6位から3位に浮上しており,存在感を増している。携帯電話機向けのNANDフラッシュ・メモリやCMOSセンサ,プレイステーション3(PS3)向けのASICなどが好調だった。

 Hynix社の売上高は,前年比13.7%増の91億米ドルだった。Gartner社の独自指標であるRIP(relative industry performance)では過去3年にわたって首位に立っているという。RIPとは,市場全体の成長を受けた売り上げ増とメーカー自体の事業戦略などによる売り上げ増とを区別して評価するもの。

 Hynix社の場合は,DRAM市場全体の売上高が前年比7.8%減だった中でDRAMの売り上げを前年比で19.1%伸ばしたことが高い評価につながった。Hynix社は生産能力の増強に最も積極的だったため,これを達成できたとGartner社はみている。ただし,供給過剰のため,2007年下期にDRAMの平均販売単価は急激に下落しており,Hynix社のDRAM事業も利益が出せていない状況とGartner社は指摘する。

《訂正》
記事掲載当初,第3段落で東芝の売上高を「204億6400万米ドル」としていましたが正しくは「118億2000万米ドル」です。お詫びして訂正いたします。記事本文は既に訂正済みです。