米DisplaySearch社は,中国の薄型テレビ市場の調査結果を発表した(発表資料)。2007年の薄型テレビの出荷台数は過去最高の960万台。このうち,液晶テレビが対前年比83%増の880万台,PDPテレビが同43%増の80万台だった。薄型テレビの出荷台数は,2007年から2012年までに年平均29%で成長する見通し。急速な価格下落に加え,2008年の北京五輪の開催や2010年の上海万博の開催が,市場を牽引するとみる。2008年の薄型テレビの予想出荷台数は1700万台。内訳は,液晶テレビが1550万台,PDPテレビが150万台である。また,2009年には液晶テレビの出荷台数がCRTテレビの出荷台数を追い抜くと予測する。

中国における種類別のテレビ市場の予測
中国における種類別のテレビ市場の予測 (画像のクリックで拡大)

 2007年の薄型テレビ市場では,海外ブランドが以前に比べて積極的に価格攻勢をかけた。海外ブランドの製品は,中国ブランドよりも高価である。ただし,DisplaySearch社によれば,これまで海外ブランドと中国ブランドの製品は,少なくとも30%程度の価格差があったが,それが2007年には20%以下まで縮まったという。この結果,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.やソニーといった海外ブランドの出荷台数シェアが,前年の33.6%から40.1%に上昇した。一方,国内ブランドの出荷台数シェアは前年の66.4%から59.9%に低下している。2007年に出荷台数において海外ブランドで最も多くのシェアを占めたのはSamsung Electronics社,国内ブランドで最大のシェアだったのは中国Hisense Electric Co., Ltd.で,それぞれ7.2%と12.1%だった。

 2007年の液晶テレビ市場を見ると,最も出荷台数が多かったのは32型。液晶テレビ全体の33%を占めている。32型の平均販売価格は2007年末に800米ドル以下まで下落した。次いで出荷が多いのは40~44型で,シェアは25%近くとなった。

中国の画面寸法別の液晶テレビの出荷台数および成長率
中国の画面寸法別の液晶テレビの出荷台数および成長率 (画像のクリックで拡大)

 PDPテレビ市場で最も出荷台数が多かったのは42型で,PDPテレビ全体の55%を占めた。また,52型の液晶テレビと50型のPDPテレビでは,約1350米ドルの価格差があったため,安価である50型のPDPテレビの方が売れ行きがよかったという。2007年後半には,32型のEDTV対応品(enhanced definition television)が大きく伸びた。Hisense Electric社やChangHong Electric. Co.,Ltd.,Haier Co.,Ltd.,Konka Group Co.,Ltd.といった中国のトップ・ブランドが,平均販売価格666米ドル以下という積極的な価格を設定したことが出荷を伸ばした要因という。