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市販のIEEE802.11g機器で47.5kmの国内最長無線伝送に成功

2008/03/26 23:10
和田 英一=Tech-On!
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写真1●鹿児島県三島村役場竹島出張所での実験の様子。海はしけていた(写真提供:鹿児島大学 学術情報基盤センター)
写真1●鹿児島県三島村役場竹島出張所での実験の様子。海はしけていた(写真提供:鹿児島大学 学術情報基盤センター)
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写真2●鹿児島県指宿市山川町の指宿市立山川小学校に設置されたパラボラ・アンテナ。天候がよければ竹島を望むことができるという(写真提供:鹿児島大学 学術情報基盤センター)
写真2●鹿児島県指宿市山川町の指宿市立山川小学校に設置されたパラボラ・アンテナ。天候がよければ竹島を望むことができるという(写真提供:鹿児島大学 学術情報基盤センター)
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 日本無線は,鹿児島県三島村,鹿児島大学 学術情報基盤センターなどと共同で,同社の無線LAN機器を使って約47.5km離れた2拠点間での平均伝送速度8Mbpsの接続に成功したと発表した。市販品の無線LAN機器を使った接続としては国内最長としている。

 実験の舞台となったのは,薩摩半島と屋久島のほぼ中間に位置する竹島(鹿児島県三島村)。人口が100人に満たない竹島では,ADSLどころか定額でISDNを利用できるフレッツ・ISDNすら提供されておらず,インターネットの常時接続の手段はない。INSネット64自体も回線数が限られているため,一般家庭での加入はほぼ不可能だという。竹島の小中学校ではインターネットを使った調べ学習を行うにもアナログ電話によるダイヤルアップで接続しており,低速度な上に高料金という環境で,満足に授業ができない悩みを抱えている。

 こうした“ブロードバンド・ゼロ地域”を解消する研究を進めている同センターと鹿児島県三島村では,薩摩半島と竹島とを無線LANでつなぐ実験を2月9日に行った。実験に利用した日本無線の機器は,無線LANブリッジとして「JRL-710AL2」,アンテナとして「NZA-666」を対向で用いた。JRL-710AL2はIEEE802.11b/gに対応した,送信出力1mW/MHzの装置。カタログ・スペックでは6Mbpsで最大通信距離39.8km,36Mbpsなら同10kmをうたう。アンテナのNZA-666は横幅110cm,高さ87cmのパラボラ型で,利得は24dBiのもの。このセットを竹島の三島村役場竹島出張所と,そこから約47.5km離れた鹿児島県指宿市山川町の指宿市立山川小学校の屋上に設置した(写真1,2)。

 なぎで海面からの反射波が強いと通信への悪影響も想定されたが,実験当日は風が強く,海がしけていたため反射波は拡散された。その強風で設置したパラボラ・アンテナは揺れ続けていたが,平均8Mbpsでファイル転送を行えた。「案ずるよりも産むがやすしで接続できた」と実験を主導した同センターのセンター長である升屋正人教授は振り返る。

 免許なしで利用できる市販の無線LAN機器でブロードバンド接続に成功したことで,低コスト(注)で竹島のブロードバンド化を実現できる可能性が出てきた。今回設置した機器は既に撤去しているが,同センターでは三島村から委託を受け,2009年度の1年間で海上長距離無線LANの長期的な評価を行う予定だ。天候,潮汐,船舶往来などが通信に与える影響を評価し,ダイバーシティ・アンテナなどを用いてその回避方法を検証し,無線LANの安定化を図る。これを踏まえて,海底光ケーブルが引かれるまでのあいだ,無線LANによる竹島のブロードバンド化を実現する考えだ。

注:片側の一式で約66万円。内訳はJRL-710AL2がオープン価格だが約30万円,NZA-666が35万円,ケーブル(3.5m)が1万1000円(2008年3月27日11:38に追記)。

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