2012年度に500MWが目標
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ビルまるごと
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 三菱電機は,太陽電池の年間生産能力を,2007年8月の150MWから,2008年10月には220MWへ,さらに2012年度には500MWへと拡大する。材料調達のメドが付いたことと,変換効率を高める技術が開発できたことから,増産を決めた(Tech-On!関連記事)。2008年10月までの設備投資額は約70億円となる。

 三菱電機は,太陽電池の需要が2008年度には対前年度比約30%増の2.5GWになると予想している。この旺盛な需要に対応するために,飯田工場(長野県飯田市)のセル製造ラインと,京都工場のモジュール製造ラインを増強する。

 世界では,薄膜Si型太陽電池の増産や新規参入が増えている。しかし三菱電機は「年間生産能力500MWまでは,結晶Si型のみで実現する予定」とした。その理由として,「現在は薄膜Si型が結晶Si型に比べて安いが,多結晶Si材料の需給逼迫状態が緩和して価格が下がる可能性があり,いつまで薄膜Si型の価格優位が続くか分からない」(三菱電機)点を挙げた。

 三菱電機は同社の強みとして,太陽電池のほかに照明や変圧器などの省エネルギーに貢献する製品がある点を強調した。こうした製品をまとめて,「家まるごと提案」「ビルまるごと提案」「工場まるごと提案」を進めていく。この結果,太陽電池が産業用途や公共用途へと広がり,現在同社の太陽電池の国内出荷の約80%を占める戸建て住宅向けの比率が低下するとした。

日経マイクロデバイスは,2008年4月号から「太陽電池基礎講座(仮)」を開始する予定です。