米連邦通信委員会(FCC)は米国時間の2008年3月18日,2008年1月に開始した700MHz帯の周波数オークションが終了したと発表した。競売に参加した事業者は米Google Inc.などを含め計214社。落札金額の総計は195億9200万米ドル(約2兆円)で,1994年の開始以来,米国での周波数オークションでの史上最高額だという。

 この700MHz帯オークションは「Auction 73」と呼ばれ,698M~806MHzの中の計64MHz分をA~Eブロックに分割して競売にかけていた。いずれも米国でアナログ地上放送が終了する2009年2月以降に利用可能になる。

 今回A,B,CブロックとEブロックはFCCが設定した最低落札価格を上回って落札された。最も落札価格が高かったのはBブロックの91億4000万米ドル。モバイルWiMAXに向けた帯域として人気が集まった模様だ。

 大手通信事業者向けに設定されたブロックCも人気が高く,計47億5000万米ドルで落札された。一方で,Dブロックは,今回は13億米ドルという最低落札価格に達しなかった。これは,「公共の安全」向け帯域と隣接しているため,利用条件が厳しいことが響いたとみられる。

 各ブロックの落札者は未発表だが,米Yankee Group Research,Inc.が2008年2月末の時点で予想落札者を明らかにしている。それによれば,Aブロックは主に米AT&T Corp.,Bブロックは複数の通信事業者が分け合い,Cブロックは米Verizon社,Eブロックは米Qualcomm Inc.が最も有力としている。