国内向け端末メーカーの認知度と好感度(出典:日経マーケット・アクセス)
国内向け端末メーカーの認知度と好感度(出典:日経マーケット・アクセス)
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 三菱電機は携帯電話機事業から撤退する(発表資料)。同社はNTTドコモなど向けに携帯電話機を供給してきたが,出荷台数が減少し,業績改善のメドも立たないことから撤退を決めた。2008年春に投入する予定で開発を進めていた新機種も陽の目を見ないことになる。

 三菱電機の2007年度(2007年4月~2008年3月)の携帯電話機の出荷台数は約210万台,売上高は約1000億円の見込み。市場シェアは4%程度になるとみられる。同事業に携わる従業員約600人については原則,三菱電機社内で再配置を行う予定という。再配置先としては重電システム事業や電子デバイス事業,産業メカトロニクス事業,家庭電器事業を予定している。

 NTTドコモは販売中の三菱電機製の端末について,在庫がなくなるまで販売を継続する方針という。端末のアフターサービスや電池パック「D06」の回収についても継続していく(Tech-On!関連記事1)。

 日本市場向けに携帯電話機/PHSを開発・製造するメーカーは海外企業の子会社も含めて20社。限られた市場規模の中でシェアの奪い合いが続いており,三菱電機はシェアを伸ばせなかった(Tech-On!関連記事2)。日経マーケット・アクセスが2008年1月に実施したアンケート調査によれば,端末メーカーとしての三菱電機の認知度や好感度も低下傾向にあった(右図)。なお,同様に市場シェアが低迷していた三洋電機も2008年1月,京セラへの事業売却を発表している(Tech-On!関連記事3)。

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