米国際貿易委員会(International Trade Commission:ITC)は,米Qualcomm Inc.が「フィンランドNokia Corp.の携帯電話機がQualcomm社の保有する特許を侵害している」として訴えていた件で,行政法判事が下した仮決定を支持し,再審理しないと決定した(発表資料)。2008年2月27日にQualcomm社が明らかにした。

 この係争は,2006年6月にQualcomm社が提訴していたもの。Qualcomm社は,Nokia社のGSM/GPRS/EDGE方式にのみ対応する携帯電話機がQualcomm社の特許3件を侵害していると主張していたが,行政法判事は2007年12月に「Nokia社はQualcomm社の特許を侵害していない」との仮決定を下していた(Tech-On!の関連記事)。これを受けて,Qualcomm社はITCにこの仮決定の再検討を請求していたが,今回ITCはこの請求を退けた形だ。

 Qualcomm社は,米国連邦巡回控訴裁判所に上訴するか検討するとしている。

 なお,Qualcomm社によれば,今回の決定はNokia社の第2世代携帯電話機のみに関するもので,他の訴訟で係争中のNokia社のW-CDMA対応携帯電話機および第3世代携帯電話機は対象外という。