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恵比寿駅の電子ペーパーを見る,日立製と富士通製で見栄えの違いがハッキリ【訂正あり】

2008/02/26 11:30
小谷 卓也=日経エレクトロニクス
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左が富士通製,右が日立製作所製
左が富士通製,右が日立製作所製
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左が日立製作所製,右が富士通製
左が日立製作所製,右が富士通製
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上部にも電子ペーパー。日立製作所製
上部にも電子ペーパー。日立製作所製
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一番手前が日立製作所製,手前から2番目が富士通製。手前から3番目以降は通常の自動改札機。手前の2台は,上部のフタに改良を加えている
一番手前が日立製作所製,手前から2番目が富士通製。手前から3番目以降は通常の自動改札機。手前の2台は,上部のフタに改良を加えている
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 2008年2月25日のJR恵比寿駅。自動改札機を通り過ぎた乗客が,思わず後ろを振り返る――。こんな光景が,何度となく繰り返されていた。自動改札機に張り付けてあるステッカー広告が,カラー表示の電子ペーパーに置き換わっていたためだ。同日の午前4時に始まった,ジェイアール東日本メカトロニクスとジェイアール東日本企画による電子ペーパー広告の実証実験である(Tech-On!関連記事)

 JR東日本グループによる電子ペーパーの実証実験は,今回が3度目。2005年12月にはJR東京駅(Tech-On!関連記事)で,2006年12月には山手線車内(Tech-On!関連記事)で実証実験を実施した。今回の実証実験では,これまでの2回と大きく異なる点がある。それは,2社の表示技術を比較して競わせる,いわゆる「コンペ」の方式を採ったことである。

「どちらか一つを選ぶ」

 今回の実証実験に利用した電子ペーパーは,日立製作所と富士通がそれぞれ開発した。これまで2回の実証実験には,日立製作所の表示技術が使われていた。つまり今回の実験では,富士通の表示技術が新たに加わったことになる。

 JR東日本グループは,実証実験の結果次第で,実際に幾つかの駅の自動改札機に電子ペーパー広告を本格導入することも考えている。その際,どちらか1社の電子ペーパーに絞ることを考えているようだ。「1社に絞った方が,コスト・メリットも生まれてくる。今回の実験を通して,どちらの電子ペーパーが,広告主や通行人の評価を得られるのか,確認していく」(ジェイアール東日本メカトロニクス 開発本部 先端技術開発部 デジタル広告システム開発グループリーダーの中嶋隆夫氏)。という。

 今回の実証実験で使われている電子ペーパーの大きさは,105mm×210mm。自動改札機に張られているステッカー広告とほぼ同じ大きさである。この表示部の大きさが,日立製作所と富士通に与えられた唯一の仕様の制約だったという。それ以外の仕様は両社でそれぞれ異なっている。

 例えば,日立製作所の電子ペーパーは画素数が320×640で精細度は約77ppi。表示色数は4096色である。これに対して富士通の電子ペーパーは,画素数が400×600で精細度は約100ppi。表示色数512といった具合だ。つまり,色数は日立製作所の方が優れているが,精細度については富士通の方が高い。「こうした仕様の違いが,実際にどのような見え方の違いにつながるのか興味深い」(ジェイアール東日本メカトロニクスの中嶋氏)。

 表示するコンテンツによっても,それぞれ得意な映像と苦手な映像があるようだ。日立製作所は「白黒系のコントラストがはっきりしたコンテンツの表示が得意」とするのに対し,富士通は「明度の高いコンテンツが得意」とする。

 これらの長所や短所は,両社の方式の違いによるところが大きいようだ。日立製作所の電子ペーパーは,ブリヂストンが開発する電子粉流体を利用したもの。視野角特性に優れ,白黒のコントラストがはっきりしている。当初は白黒表示品の開発から始めた。カラー化には,カラー・フィルタを用いている。一方,富士通の電子ペーパーは,コレステリック液晶を利用したもの。RGB3層の液晶層を重ねる方式で,当初からカラー表示を前提に開発を進めている。液晶であるため,視野角によって見栄えが変化してしまう。

 実際に,筆者が自動改札機に設置された両社の電子ペーパーを見ると,明らかに見栄えが異なるのが分かった。どちらの見栄えが好まれるのか,意見が分かれそうだ

薄さと「目立たなさ」が決め手

 自動改札機に電子ペーパーを後付けで設置するため,JR東日本グループは改札機に若干の改良を施した。具体的には,上部のカバーをより厚いものに変えたという。この変更によって新たに生まれた空間に,電子ペーパーを設置した。「カバーを厚くしすぎると,本来の改札機能に影響が出てくる。そのため,電子ペーパーの『薄さ』は魅力的だった」(ジェイアール東日本メカトロニクスの中嶋氏)。なお,日立製作所の電子ペーパーの厚さは1.5mm,富士通の電子ペーパーの厚さは0.8mmという。

 広告表示媒体として電子ペーパーを選択した理由は,こうした薄さのほか,「表示が目立ちすぎない」点にもあったようだ。「液晶パネルを使うと,表示が目立ちすぎて乗客が立ち止まってしまう。これでは,自動改札機が混雑してしまう可能性がある」(ジェイアール東日本メカトロニクスの中嶋氏)。

 実証実験の期間は2008年3月23日まで。10種類の広告画像が,6分間隔で切り替わるように設定されている。

【訂正】一番上の写真の説明として「左が日立製作所製,右が富士通製」と記載しましたが,正しくは「左が富士通製,右が日立製作所製」です。記事は修正済みです。お詫びして訂正いたします。

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