オリンパスと中央大学が行うHMDを利用した情報提供サービスの実証実験におけるシステム利用者のイメージ
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HMDを利用した情報提供サービス実証実験で,提供される情報のイメージ
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オリンパスが開発した眼鏡型でワイヤレスのHMD試作機「モバイルEye-Trek−慧眼−」
オリンパスが開発した眼鏡型でワイヤレスのHMD試作機「モバイルEye-Trek−慧眼−」
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オリンパスのHMD試作機「モバイルEye-Trek−慧眼−」の装着イメージ
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 オリンパスの未来創造研究所と中央大学理工学部経営システム工学科のヒューマンメディア研究室(加藤俊一教授)は,街中を歩いている人に,ワイヤレスのヘッド・マウント・ディスプレイ(HMD)を通じて情報を提供するサービスの実証実験を行う(発表資料)。実験参加者の位置情報や興味などに基づき,現在地周辺のお勧め情報や豆知識などをユーザーに送信,HMDに表示する。

 実験は中央大学の学生約50人を対象とし,東京都文京区の小石川,本郷,湯島,駒込一帯で実施する。HMDはオリンパスが開発した眼鏡型でワイヤレスの試作機「モバイルEye-Trek-慧眼-」(参考資料)を用いる。実験参加者が身につけたGPSや加速度センサなどからの情報を,情報端末が統合し「レコメンドサーバ」に送信する。同サーバーからは,実験参加者の現在地周辺にある観光スポットや店舗などのガイド情報や,通りや坂の由来や歴史情報などを送信する。

 今回の実験では例えば,目的地を設定して案内に従って移動する過程で,HMDから現在地についての豆知識を得る。その際に行動の幅が広がるか,満足感が増すかを検証する。また,特に目的地を設定せず,実験参加者の状況などに応じてシステムから推奨される情報や豆知識などを得ながら街中を移動したときに,充実した時間を過ごせるかも検証する。この実験結果を分析し,コンセプトの有効性や,システムの実現可能性などを実証していく考え。この結果を踏まえ,4年後の2012年をめどに,実用化を目指す。

 今回の実験は,同社が「インスパイア型ユビキタスサービス(IUS)」と呼ぶサービス形態。利用者の知的好奇心を刺激するような「気付き情報」の提供が本分であるとする。その特徴的な機器となるモバイルEye-Trek-慧眼-は,右眼の前に3.2mm×2.4mmの液晶パネルを置くもので,50cm先に3.8型(対角約100mm)画面があるのと同等に見えるとする。液晶パネルは521×218画素のデルタ配列で,画素数は約11万3000。モバイルEye-Trek-慧眼-の発売予定はないという。

 オリンパスと中央大学は,今回の実験の内容を,2008年3月7~8日に宮城県仙台市の宮城大学で開催される日本感性工学会春季大会で発表する予定である。

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