米DisplaySearch社は,液晶テレビ,PDP,CRTを含めた2007年第4四半期のテレビの出荷台数の調査結果を発表した(発表資料)。2007年第4四半期のテレビの世界出荷台数は,対前年同期比5%増,対直前期比21%増の6080万台であった。2007年通期では,約2億台にのぼった。2007年第4四半期の売上高は,対前年同期比10%増,対直前期比26%増の329億米ドル。2007年通期の売上高は,初めて1000億米ドルを超えたという。

液晶テレビは,ソニーがSamsungを抜く

 2007年第4四半期の液晶テレビの世界出荷台数は,対前年同期比56%増,対直前期比41%増の2850万台であった。テレビ全体の出荷台数のうち,47%を液晶テレビが占め,初めてCRTの出荷台数を上回った。CRTから液晶テレビへの置き換えが加速しているという。2007年通期の出荷台数は,対前年比73%増の7930万台。2007年の1年間で,南米や東アジア,中東・アフリカなど発展途上国への普及が進んだという。売上高は,2007年第4四半期が対前年同期比34%増,対直前期比31%増の228億米ドル。2007年通期が対前年比40%増の680億米ドルであった。

 メーカー別に台数ベースでのシェアを見ると,2007年第4四半期の首位は,直前期で2位のソニー。シェアは対直前期比3.6ポイント増の19.5%であった。2位は,韓国Samsung Electronics Co., Ltd.で,同0.6ポイント増の19.3%。ソニーがSamsung を抜いたのは,2007年第1四半期以来だという。ソニーは,北米や南米での売上高が伸びた。続いて3位は,オランダRoyal Philips Electronics社で,同0.4ポイント増の10.1%,4位はシャープで,同2.4ポイント減の10.1%,5位は韓国LG Electronics Inc.で,同0.1ポイント減の7.7%と続く。

 40型以上の出荷数が増えており,液晶テレビ全体でのシェアは,台数ベースで対前年比8ポイント増の25%,金額ベースで,同11ポイント増の44%を占めた。出荷された液晶テレビの平均画面サイズは32型という。1080p対応の液晶テレビの出荷台数も,台数ベースで対前年同期比71%増,対直前期286%増と急伸した。

PDPでは,松下が首位を維持

 2007年第4四半期のPDPの世界出荷枚数は,対前年同期比29%増,対直前期比43%増の400万枚であった。2007年通期の出荷台数は,対前年比22%増の1130万台であった。一方,2007年第4四半期の売上高は,対前年同期比3%減,対直前期比28%増の4億8000万米ドルにとどまった。

 メーカー別の出荷枚数シェアを見ると,首位は第3四半期に続いて松下電器産業。シェアは対前年比6.6ポイント増の39.6%だった。日本や北米,欧州,中国の市場でトップ・シェアを獲得した。2位は,韓国Samsung Electronics Co., Ltd. で,同1.4ポイント減の20.3%。3位は,韓国LG Electronics Inc.で,同1.1ポイント減の15.0%に留まったが,東アジアや南米,中東・アフリカでのシェアは伸びた。

テレビ全体では台数ベース,金額ベースともにSamsungが首位

 テレビ全体でのシェア首位は,台数ベース,金額ベースともにSamsungで,金額ベースでは,8四半期連続でトップである。液晶テレビやPDP,CRTなど複数のテレビを提供し,様々な地域でのテレビ市場でシェアが伸びた。LG Electronics は,台数ベースでは2位,金額ベースでは3位であった。CRTでは,台数,金額ベースともにトップ・シェアをもつ。ソニーは,台数ベースでは3位,金額ベースでは2位。液晶テレビに強みをもつ。

【訂正】記事掲載当初,「韓国Samsung Electronics Co., Ltd.」「オランダRoyal Philips Electronics社」の会社名をそれぞれ「韓国Samsung SDI Co.,Ltd.」「韓国LG.Philips LCD Co.,Ltd.」と誤って掲載しておりました。お詫びして訂正いたします。記事本文は既に訂正済みです。

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