SEM/TEM用サンプルプレパレーション装置
SEM/TEM用サンプルプレパレーション装置
[画像のクリックで拡大表示]
ダイヤモンド 従来方による測定
ダイヤモンド 従来方による測定
[画像のクリックで拡大表示]
ダイヤモンド 新手法による測定
ダイヤモンド 新手法による測定
[画像のクリックで拡大表示]

 浜松ホトニクスは2008年2月12日,走査型(SEM)/透過型(TEM)電子顕微鏡でナノ材料を観察する際,試料を凝集させずに材料を一つずつ観察基板(プレパラート)に配置できる「SEM/TEM用サンプルプレパレーション装置」を世界で初めて開発したと発表。2008年2月20日から受注を開始する。さまざまなナノ材料の粒径や形状などの観察が容易になり,新しい機能材料の特性評価や製造法の開発などの分野で有用としている。
 
 同装置は,小口径のノズルから高電圧をかけたナノ材料の分散液を噴霧し,これを微液滴化することで,溶媒を大気中で乾燥させて観察基板に静電付着させる。ナノ材料を凝集させずに付着させた観察基板を数分で作製できる。ノズル口径をナノ材料の分散液を噴霧しても目詰まりしない程度に小さくし,分散液の濃度を最適化することにより,複数個のナノ材料が入らない微液滴をつくれるようになった。価格は525万円(税込み)で,2008年10台,2011年以降は50台/年の販売を見込む。
 
 現在,ナノ材料の観察に,SEM/TEM型の電子顕微鏡が使われている。特に,1n~50nmスケールでのナノ材料の特性変化は未解明のため,このスケールでの観察ニーズ高まっていた。ところがこれまでは,観察基板にナノ材料の分散液を塗布しても,分散液が基板上で乾燥する過程でナノ材料が凝集してしまい,個々の粒径や形状などの観察が難しかった。

 なお,同装置は,2008年2月13日~15日まで東京ビッグサイト(東京都江東区)で開催する「nano tech 2008 国際ナノテクノロジー総合展・技術会議」で展示される。

連絡先:浜松ホトニクス 中央研究所第8研究室
電話:053-584-0250