富士通は,小型の屋外用モバイルWiMAX(IEEE802.16e)基地局装置「BroadOne WX300」を開発した(発表資料)。「一体型で数km範囲の電波の送受信を行う装置としては世界最小サイズ」(同社)と主張する。2008年第2四半期より販売を開始する。同社は今回の新製品を,2008年2月11~14日にかけてスペインのバルセロナで開催される「Mobile World Congress」で展示する。
同社が開発したGaN系HEMTを使用した高出力アンプに,第3世代移動体通信(3G)システムで使われているデジタル・プリディストーション(Digital PreDistortion:DPD)方式に基づく歪み補償技術を組み合わせ,高効率を実現したという。
装置の容積は約20リットル。対応周波数はWiMAX Forumが規定する周波数帯に準拠する。対応帯域幅は5/10/20MHz。2×5MHz,2×10MHzの構成にも対応する。2×2のMIMOに対応する。最大送信出力は1系統あたり10Wで,電波の送受信範囲は数kmとする。ネットワーク・インタフェースは100Base-TX/1000Base-Tおよび100Base-FXに対応する。消費電力は200W以下。
なお同社は,ワイヤレス・ブロードバンド製品のグローバル・ブランドを「BroadOne」に統一する。モバイルWiMAX基地局装置については「BroadOne WXシリーズ」として,今後,より小規模な範囲をカバーする小型基地局装置も販売していく方針であるとした。また,米Airspan Networks, Inc.と,WiMAXビジネスに関するアライアンス契約を締結したことも明らかにした。