ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)は米国時間の2008年2月4日,IPv6アドレスをインターネットのルート・サーバーの約半分に登録可能にしたと発表した。ICANNは,IPアドレスやドメイン名などインターネットの各種資源を管理している機関。これで,従来のインターネットでIPv6アドレスのDNS検索が可能になった。現在IPv4を利用しているインターネットのIPv6への移行がネットワークの根幹から始まったといえる。

 ルート・サーバーとは,インターネットを構成するネットワークをまたぐ形でのIPアドレス解決要求(例えば,ドメイン名 nikkeibp.co.jpに対応するIPアドレスの問い合わせ)に責任を持つDNS(domain name system)サーバー。ルート・サーバーのIPアドレスは決まっており世界で13個しかない。このIPアドレスにはA~Mのアルファベットが割り振られており,ルート・サーバー用IPアドレスを持つサーバーは,A-Root DNSサーバー,B-Root DNSサーバーなどと呼ばれる。日本のWIDEプロジェクトと日本レジストリサービス(JPRS)は,13番目のM-Root DNSサーバーを共同管理している。

 今回,IPv6アドレスの登録が可能になったのは,A, F, H, J, K, Mの6ルート・サーバー。このため,日本ではWIDEプロジェクトとJPRSも,Mルート・サーバーにIPv6アドレスを正式に登録したことを発表した(発表資料)。