富士キメラ総研は,国内におけるRFID(無線タグ)の市場調査結果を発表した(PDF形式の発表資料)。2007年のRFID関連ビジネスの市場規模は,金額ベースで577億円。クローズド・システムでの利用が中心で,2006年と比べ微増にとどまったという。富士キメラ総研は,RFIDの本格的な普及を2011年以降になるとみる。2013年にはRFIDビジネスの市場規模が,金額ベースで2007年の6.6倍にあたる3819億円となると予測する。

 2013年には,RFIDタグの市場が2007年の6.1倍である518億円に成長すると予測している。RFIDタグの低価格化により普及が加速するという。RFIDリーダー/ライターは,同3.4倍の370億円。物流・流通分野での検品作業に使用されるハンディー形状のリーダー/ライターの販売数が伸びると予測する。RFIDプリンター市場は,対2007年比2.9倍の20億円。安価なラベル用プリンターの販売数が伸びるとする。また,RFIDを使ったシステムの開発やコンサルテーションなどが7.7倍と大幅に伸びると見ている。

 産業分野別では2013年までに最も成長するのは,物流分野市場。2007年比16.8倍の1027億円年と予想する。受注から配送までの追跡管理をすることにより複雑化している物流のニーズに応えるという。また流通分野でも,対2007年比10.7倍の950億円と高成長する。商品管理用のタグとして普及するという。一方,製造分野市場に関しては,他の分野と比較して既にRFIDの導入が先行していることもあり,対2007年比3.1倍の813億円の市場規模に留まると見込む。

分野別市場予測
分野別市場予測
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