キヤノンの2007年12月期(2007年1~12月)の決算は,増収増益となった(PDFの発表資料)。売上高は対前年比7.8%増の4兆4813億4600万円。営業利益は同7.0%増の7566億7300万円で過去最高を記録した。純利益は同7.2%増の4883億3200万円だった。デジタル・カメラやカラー・ネットワーク複合機,レーザ・プリンターなどが販売数を着実に伸ばしたことや為替によるプラス影響が,増収に貢献した。

 主力の「事務機」事業の売上高は対前年比9.1%増の2兆9355億4200万円,営業利益は同8.5%増の6502億6100万円。レーザ・プリンターの販売台数がカラー機,モノクロ機ともに低位機種を中心に20%強増加するなど,好調だった。事務機事業のうち,プリンターや複合機といった,「オフィスイメージング機器」部門と「コンピュータ周辺機器」部門が,前年からそれぞれ8.8%と9.9%の増収となり,コンピュータや携帯型機器を手掛ける「ビジネス情報機器」部門は,ほぼ前年と同水準にとどまった。

 「カメラ」事業は好調を維持している。売上高は対前年比10.6%増の1兆1526億6300万円,営業利益は同14.4%増の3074億2600万円と2ケタの増収増益を達成した。デジタル・カメラの販売台数は,対前年比約17%増加した。コンパクト機,一眼レフ機ともに好調という。

 「光学機器及びその他」事業の売上高は,対前年比7.2%減の3931億4100万円。営業利益は同49.2%減の210億8000万円と半減した。液晶用露光装置が,液晶パネル・メーカーの低水準な設備投資の影響を受けて,低調だった。さらに,半導体露光装置の需要もほぼ前年並みの水準にとどまった。

 2008年12月期(2008年1~12月)の業績予想では,売上高が対前年比5.3%増の4兆7200億円,営業利益が同5.7%増の8000億円,純利益が同6.7%増の8200億円と見込む。キヤノンは2008年の露光装置市場について,半導体露光装置の需要は減少するものの,液晶用露光装置の需要は,液晶パネル・メーカーの大規模投資により順調に回復すると予測する。