基調講演に登壇したトヨタ自動車の重松氏
基調講演に登壇したトヨタ自動車の重松氏
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ASIFの枠組み。ASIFの資料。
ASIFの枠組み。ASIFの資料。
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 東海ものづくり創生協議会らは,自動車分野の組み込みソフトウエア技術の普及,人材育成を推進するための組織「車載組込みシステムフォーラム(ASIF:Automotive Embedded System Industry Forum)」を設置すると発表した(ASIFの趣旨説明資料)

 車載の組み込み技術分野に参入する意欲を持った企業に対し,基盤技術や若手技術者の育成を支援するほか,欧州のソフトウエア技術の仕様や規格の情報収集も行う。発起人の高田広章氏は「参加型の勉強会にしたい」とする。なお,東海ものづくり創生協議会は,経済産業省 中部経済産業局のプロジェクトである「東海ものづくり創生プロジェクト」の推進機関である。

 同協議会は,今回のASIFの設立に当たって,広く参加企業を募るため,2008年1月29日に愛知県・名古屋市で「エンベデッドフォーラム in グレーター・ナゴヤ」を,組込みシステム技術協会(JASA)らと共同で開催した。基調講演には,トヨタ自動車 常務役員の重松崇氏が登壇し,「カーエレクトロニクスの現状と展望」と題して自動車におけるソフトウエア技術の現状と動向について解説した。

 重松氏は「ソフトウエア開発は人材がカギだと,当社内で声を上げてきた。ようやくここにきてソフトウエア分野が,少なくとも電気・電子分野と並ぶくらいにはなってきた。将来的に機械分野を超えるというまでにはならないかもしれないが,少なくともソフトウエアが機械や電子と並ぶような形にはしてききたい」と語った。

 トヨタ自動車 元社長の豊田英二氏の言葉に「人間がモノをつくるのだから,人をつくらねば仕事も始まらない」というものがあるという。重松氏はこの言葉をあげて,「この言葉は,まさにソフトウエアにこそ当てはまる」と述べ,ソフトウエア分野における教育の重要性を強調した。