東芝は,2007年度第1~3四半期(2007年4~12月)の連結決算を発表した。売上高は5兆5684億円,営業利益は1245億8100万円を計上。それぞれ前年度同期から12.4%,2.9%増えた。ただし,第3四半期に限っては,製品販売価格の下落により前年度同期比で営業減益となっている。

 営業損益の増減(+35億円)分析は次の通り。増加要因は,「増収による増益」が2847億円,「半導体プロセスの微細化(による業績への寄与)」が2172億円,「調達コストダウン」が6539億円,「為替影響」が49億円。一方,減少要因は,「販売価格の下落」が1兆1113億円,「研究開発費や減価償却費の増加」が459億円である。

 事業セグメント別の第1~3四半期の業績は次の通り。デジタルプロダクツ事業(テレビ,PC,HDD,光ディスク装置など)の売上高は2兆2285億円(前年度同期比8.0%増),営業利益は65億円(同33.0%減)となり,増収ながら営業減益。PCは国内外で大幅な増収増益を達成したが,テレビやHDD,光ディスク装置が収益の足を引っ張った。テレビや光ディスクは,売り上げ自体は伸びている。

 電子デバイス事業(液晶デバイス,半導体など)の売上高は1兆3239億円(同12.2%増),営業利益は689億円(同13.2%減)となり,デジタルプロダクツ事業と同じく増収・営業減益。液晶デバイスは減収だったが,半導体は増収となり,全体として増収。収益面では,メモリの価格下落により半導体が減収となった上,液晶デバイスも悪化し,全体として減益に終わった。

 社会インフラ事業(電力システム,産業システム,医用システムなど)の売上高は1兆5977億円(同24.4%増),営業利益は344億円(同55.1%増)で,大幅な増収・増益。米Westinghouse社の買収効果が大きい(前年度同期の上期はこの買収効果が含まれていない)。家庭電器事業の売上高は5760億円(同4.9%増),営業利益は19億円(同12.8%増)となり,同じく増収・増益を達成した。