2007年の携帯電話機出荷台数のメーカー別シェア
2007年の携帯電話機出荷台数のメーカー別シェア
[画像のクリックで拡大表示]

 大手調査会社2社が,2007年の携帯電話機世界市場の調査結果と今後の予測を発表した。

 米Strategy Analytics,Inc.の発表によれば,2007年第4四半期の携帯電話機の出荷台数は対前年同期比13%増の3億3200万台で,2007年通年の出荷台数は対前年比12%増の11億2550万台だった。2008年は経済環境が現在より悪化するとみられるため,携帯電話機市場の成長も鈍化し,2008年の出荷台数は対前年比10%増の12億4000万台とみる。

 一方,米ABI Research社は2007年の携帯電話機の世界出荷台数を,対前年比15.8%増の11億5000万台と発表した(発表資料)。ABI Research社は,「米国の経済の不況に伴って市場が鈍化する恐れはあるが,米Motorola Inc.を除く携帯電話機メーカーは,2007年第4四半期に好調な業績を上げた」と説明する。ただし,世界経済の見通しに対する不透明感を考慮して,2008年の出荷台数の前年比成長率は,従来予測していた13.5%から12.0%に下方修正した。

フィンランドNokia社は2007年第4四半期にシェア40%超

 Strategy Analytics社の発表した2007年のメーカー別出荷台数を見ると,フィンランドNokia Corp.が首位を維持した。出荷台数は対前年比25%増の4億3710万台で,同4.1ポイント増の38.8%のシェアを占めた。同社のシェアは2007年第4四半期に初めて40%を上回り,過去最高の40.2%を記録したという。

 2位の韓国Samsung Electronics Co., Ltd.は,2007年に対前年比42%増の1億6120万台を出荷した。シェアは同3.0ポイント増の14.3%である。3位のMotorola社の出荷台数は同27%減の1億5900万台で,シェアは同7.6ポイント減の14.1ポイントだった。Motorola社は,上位5社の中で唯一前年より出荷台数を減らした。人気機種「Razr」に替わる新機種の投入に失敗したことが,出荷台数減少の要因とStrategy Analytics社は分析する。4位は英Sony Ericsson Mobile Communications ABで,出荷台数は同38%増の1億340万台,シェアは同1.7ポイント増の9.2%だった。5位韓国LG Electronics Inc.の出荷台数は同25%増の8050万台,シェアは0.8ポイント増の7.2%だった。また,2007年に携帯電話機市場に参入した米Apple Inc.は,2007年第4四半期に0.6%のシェアを占めた。「Apple社は2008年に上位10社入りする」とStrategy Analytics社は予想する。

 ABI Research社は,2007年のMotorola社のシェアを対前年比10.9ポイント減の12.4%としている。Motorola社がシェアを縮めたことによって,Nokia社,Samsung Electronics社,Sony Ericsson Mobile Communications社,LG Electronics社がシェアを拡大したと分析する。さらに超低価格携帯電話機市場では,Nokia社,Samsung Electronics社,LG Electronics社に加え,ZTE Corp.やHuawei Technologies Co.,Ltd.といった中国メーカーが参入し始めているとした。