メモリ専業メーカーのドイツQimonda AGは,2008年度第1四半期(2007年10~12月)の決算を発表した(発表資料)。売上高は対前年同期比56%減の5億1300万ユーロ。営業損益は前年同期の2億900万ユーロの黒字から5億8500万ユーロの赤字に転落し,純損益も前年同期の1億7700万ユーロの黒字から5億9800万ユーロの赤字に転じた。

 売上高が大幅減となったのは,同社製品の平均売価が前年同期比で72%下落したことと,米ドルの為替が弱含みで推移したことによるという。ビット換算による出荷量は前年同期から73%増加したものの,出荷量の増加が価格下落を補えなかった。ビット出荷量こそ在庫削減により直前期から27%増加したが,ビット換算の生産量は直前期と比べて横ばいにとどまった。

 用途別に見ると,総ビット出荷量に占めるパソコン向けの比率は,一時的に55%を上回った。この要因は微細化技術の加速およびパソコンの好調な需要に基づく在庫削減による。一方,非パソコン向けのビット出荷量は堅調に増加したという。総売上高の地域別割合は,北米が全体の34%,欧州が17%,アジア・太平洋が36%,日本が13%だった。

 同社のPresident兼CEOであるKin Wah Loh氏は,「2007年10~12月のDRAM市場では,標準DRAM価格が40%以上も下落した。特に12月は深刻な下落となり,当社が以前発表していた諸施策は,困難な市場環境を相殺するには至らなかった」と述べた。ただし,2008年度第1四半期を通じて,同社はビット当たりのコストを20%削減したという。ビット出荷量の大幅増や生産性の向上,営業経費の削減により実現した。

 同社は,2007年12月末までに,生産能力全体に占める80nmプロセスおよび75nmプロセスの割合を50%以上に高めている。今後この割合を,2008年3月までに75%,2008年9月までに90%に引き上げる計画である。2008年度の設備投資は,「当初計画より2億5000万ユーロ程度削減する予定」(Loh氏)で,4~5億ユーロになる見込みという。

 2008年度通期(2007年10月~2008年9月)は,ビット生産量が前年度比で30~40%増加する見通しとした。グラフィックスや民生機器,通信機器向けDRAMの需要増に加え,パソコン向けモジュールの大容量化が,ビット出荷量の増加につながるとみる。また,2008年度は同社の総ビット出荷量に占める非パソコン向けの割合が50%を上回ると予測する。2008年度第2四半期(2008年1~3月)におけるビット生産量の対直前四半期比の成長率は,1ケタ半ばを見込む。さらに,Qimonda社は低迷するDRAM価格に対応するために,ファウンドリーを含む生産体制を見直す方針を明らかにした。