携帯電話機向けソフトウエアを手掛ける米Ecrio Inc.は,LEDからバーコード情報を生成・転送する「MoBeam」と呼ぶ技術を,「2008 International CES」で披露した。MoBeam技術について同社は,携帯電話機が搭載するLEDを利用すると2007年2月開催の「3GSM World Congress 2007」で発表していた(発表資料)。2008 International CESでは,MoBeam対応の端末やUSBメモリを展示した。ちなみに,同社は2007年にNTTドコモやクレジット・カード大手の米Visa International社から投資を受けている。
MoBeam技術は,機器に組み込んだソフトウエアによって,バーコード・リーダーが受信できるバーコード情報の黒い線間の白色部分を作り出すというもの。機器では同ソフトウエアを用い,機器が搭載した赤色もしくは白色のLEDを変調する。バーコード・リーダー側では,MoBeam対応機器が照射する光を通常のバーコード情報として認識する。MoBeam用のソフトウエアは,C言語で記述した100KバイトのLEDドライバになっている。
Ecrio社はMoBeam技術の用途として,製品の割引クーポンのほか,航空会社が発行する「マイル」といった情報の表示を検討している。例えば,ユーザーがパソコンを用いて,同技術に対応する端末やUSBメモリに割引クーポンの情報などを蓄積するといった使い方が可能とする。2008年前半に,MoBeam対応機器を100台使った試験サービスを,オーストラリアやニュージーランドで行う予定である。